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茎の異常
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茎は施肥管理によって太くも細くもなりますが、太くなる=チッソ過剰のケースが多く病害につながるケースも少なくありません。
茎が太い栽培になると葉も大きくなり、光合成効率が悪くなります(大きな葉は薄く、光が抜けやすい。また、下の葉が光を受けにくくなるため)。
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解説
茎が太くなるということはトマトが栄養生長に向かっていると状態です。
植物は本来、チッソと光合成によって得られる炭水化物が同化してアミノ酸となり、生育するのですが
この時肥料分(チッソ含む様々な)が多いと炭水化物の供給が追い付かず、肥料がが余ってしまい樹を太くしたり、葉を大きくしたりします。
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進行すると、奇形が発生し「メガネ」という穴あき茎の症状が出たりもします。
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対応策
まずは施肥バランスです。この症状が出たからすぐにコントロールするというのはなかなか難しいので根本から対応していきましょう。
施肥量の目安として、チッソ1に対し、カリウム1.2、カルシウム10、マグネシウム2という割合が無難な進め方です。
この数値は「塩基バランス」と呼ばれるカリウム、カルシウム、マグネシウムのバランスをとったものになります。
これらの成分は1つが多くなるとその他が吸えなくなる、という「拮抗作用」をお互いに持っておりますので、そのバランスが重要になるわけです。
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一方、苦肉の策ではございますが、「脇芽を伸ばして栄養分を分散させる」という手法もございます。
これは根本的な解決には至りませんが、チッソを消化させるため枝数や葉を増やし、光合成力もアップさせる考え方です。
密植ですと過繁茂になり病害を招くリスクもありますのでご注意ください。
もう一つはお酢の散布です。
お酢を50~100倍に薄めて全体に撒いてあげてください。お酢は光合成で作られる炭水化物に似たような成分ですので、疑似光合成が期待できます。
うどんこ病の対策と同じです!
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