採りっきり栽培®
2016年5月14日(土)、明治大学農学部農学科 野菜園芸学研究室とサナテックシード株式会社は、明治大学 生田キャンパス(神奈川県川崎市)にてアスパラガス新栽培法「採りっきり栽培®」発表会を開催いたしました。
発表会には、生産者や研究者、市場関係者など250名にご参加いただきました。
採りっきり栽培®とは・・・
定植翌年から収穫ができ、毎年株を更新するので病気のリスクが軽減できます。
採りっきり栽培推奨品種を栽培することで、短期間で株養成が可能になります。
ハウス栽培との併用で、立茎時(3~6月頃)にも「採りっきり栽培」で収獲でき、切れ目なく出荷することができます。
従来の栽培法との違いは・・・
本格的な収穫は3年目から
特に2年目から注意が必要
採りっきり栽培®の実例(暖地)
発表会の様子
発表会は、圃場視察とセミナーの2部構成にて開催。まずは、昨年2月に定植したアスパラガスの収穫状況の様子をご覧頂きました。定植から約1年で、食用として十分出荷できるサイズに成長していました。
明治大学は「新規定植器」も開発し特許を取得しました。
農業従事者の高齢化や新規就農者の減少が問題とされていますが、アスパラガス栽培においても「作業性の改善」と高品質多収の大株養成のために欠かせない「地温低下等の問題」を解決する必要がありました。
採りっきり栽培®に伴う「新規定植器」と新栽培法「採りっきり栽培®」の開発により…
深植えによる低温の影響の軽減⇒早期定植が可能に
株養成期間の延長・若茎収量の増大
作業姿勢の改善
という3つの結果を導きました。
セミナーでは、元木悟准教授(現教授)による「採りっきり栽培®」栽培概要の説明と、野菜学研究室の学生による「採りっきり栽培®」開発の現状と今後の方向性についての発表、そして、市場関係者をゲストに迎えたトークセッションを行いました。
参加者からは、「アスパラを栽培していない人にも勧められる可能性と、新しく産地ができる可能性が見えてきた」「1年で採れるのは面白い」「植物生育調節剤で育てるのかと思っていたら、植物本来の育ち方を助けるような自然な新しい作り方をしている点に感銘を受けた」という声を頂きました。