葉柄が短く立ち上がっている
植物においてチッソは非常に重要な成分の一つですが、このバランス加減で生育は良くも悪くもなります。
葉柄の長さや小葉柄の立ちあがり方もその一つです。その理由についてみていきましょう。
枝葉が大きくなる理由
植物はチッソが多いときは枝葉の生長に使われます。これは光合成によって得られた糖分がほとんどチッソに持っていかれ、アミノ酸~タンパク質となり体づくりに使われるからです。これが栄養生長と呼ばれるものです。
生育が進むにつれ、葉が旺盛になってくると光合成量が増えてくるとチッソの消化効率が上がり、チッソが減少してきます。すると枝葉の伸びが落ち着き、得られた糖分は実へと流れていきます。これを生殖生長と呼びます。
本来であれば生育とともに栄養生長から生殖生長へと向かうのですが、チッソ分が多かったり光合成効率が悪かったりすると、枝葉がどんどん大きくなります。
対策
もちろん適切な肥培管理が一番大事ですが、天候によっても大きく影響をうけますので、その対策を考えてみます。
基本は「チッソ過剰からのアミノ酸~タンパク質大量生成による栄養生長」ですので、チッソをうまく消化させることがポイントです。
お酢の施用
「お酢」は光合成によって得られる糖分に非常に似ております。曇天や雨が続いたときはどうしてもチッソを持て余しますので、「お酢」を施用してチッソを消化します。お酢は50~100倍程度に薄めて散布します。
液肥の施用
同梱している液肥の「プロモートR」と「ダッシュMEネオ」はそれぞれ発根促進と転流促進という効果を持っています。
発根が促進されると土中からアミノ酸やミネラル分をたくさん吸い上げられるので、チッソに偏った栽培になりにくくなります。
また、ダッシュMEネオで光合成によって作られた炭水化物の移動を助け、含有成分であるカリウムやリン酸(ここでは亜リン酸)がチッソの同化を促進します。
散布はジョウロでもスプレーでも大丈夫です。スプレーの場合は葉の表面によくかけてあげましょう。
相乗効果で安定した生育を目指していきましょう。
ただ、残念ながら一度大きくなった葉や伸びた枝が戻ることはありません。ならないような管理を心がけましょう。