トマト 尻腐れ 芯腐れ
トマト尻腐れや芯腐れは有名な欠乏症の一つですが、見た目から病気になったのでは?と思われる方も多いかと思います。
主にカルシウムやホウ素の欠乏で起こる症状です。ちなみに生長点や上部の葉先の枯れ、枯死も同様にカルシウム欠乏で起きます。
その仕組みを見ていきましょう。
解説
トマト尻腐れはカルシウムやホウ素の不足によって起きる症状ですが、主に果頂(果実の先端、この場合はトマトの尻部分)に現れやすいです。
また同様にカルシウム欠乏は生長点や生長点付近の葉先で起きやすい症状です。
その理由は「生育が旺盛な場所ほどカルシウム利用率が高い」ことがあげられます。
またカルシウムは養分の移行がしにくい成分であり、またホウ素がその運搬役を務めるためホウ素欠乏からカルシウムの移動性が悪くなることで症状が出ることもあります。
(ホウ素欠乏=カルシウム移動性の低下→生長点付近の欠乏となる)
さらにリン酸と結合して溶けにくくなったり、アンモニア態窒素と競合して吸収しにくくなるなど原因は多岐にわたり、土壌にたくさんのカルシウムがあっても吸収できずに欠乏症が出ることもあります。
ちなみにリン酸結合と呼ばれる症状はリン酸の吸収も悪くなり、結果的に花芽分化にも影響を与えます。リン酸は元肥として必ず入れる(化成肥料には概ね入っているため)のですが苦土石灰は忘れがちなのでより顕著に出るケースがあります。
対策
まずは欠乏症を出さないためにも元肥、追肥に常にカルシウムを与えることです。元肥で株あたり化成肥料8・8・8を60g、苦土石灰を90g入れていただくのはそのバランスを重視した分量だからです。
追肥も各10g、15g入れていただくことでそのバランスを引き継いでいくわけですね。
ただ、この施肥分量を与えていても温度や潅水量で吸収が阻害されるケースもございます。
夏場は特に発生しやすいので、潅水をまめにやるのもポイントです。目安として草丈㎝x10㏄程度を毎日与えましょう(雨の日や水分が多いときは様子を見ます)
この時、付属の「ダッシュMEネオ」「プロモートR」で転流、光合成促進をさせることで根からでる根酸量増加につながり、土中のカルシウム等の吸収促進も期待できます!
欠乏症が出てしまったら、それを回復させることは出来ないので速やかに摘果しましょう。