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コナジラミと黄化葉巻病
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コナジラミはトマトだけでなく多くの野菜を食害する虫です。
トマトにおいて大きな問題となっている「黄化葉巻病」という厄介な病気を媒介する虫でもあります。
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解説
体長約1㎜程度の小さな虫で、多くの野菜を食害します。
トマトにおいては吸汁による着色不良やその糞はすす病の原因となったりと大変迷惑ですが、なによりも「黄化葉巻病」を媒介させることで有名です。
黄化葉巻病になるとトマトは生長点付近の葉がカールし、矮化して全体の生育に影響を与えます。
最近では黄化葉巻病耐病性品種が増えておりますが、その個体が病気を発症しにくいだけで、そこで吸汁したコナジラミが他所で吸汁すれば感染してしまいます。
なお、露地栽培においては風に弱いこともあり(小さいので風の影響を受けやすい)、ハウスほどの被害は少ないです。
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対策
まずは発生を抑えることです。虫の多くは「あ、トマトだ!おいしそう!」ではなく、
「お、いい匂いがする!」と集まってくる習性があります。
その匂いは何かというと、チッソ臭なんですね。
植物はチッソ過剰で様々な障害が出ますが、その中の一つが「虫を呼ぶこと」です。
吸収された過剰なチッソ分は使われずにいると「アミド」という物質になり、虫が好む匂いを発するようで、虫を呼んでしまいがちです。
ですので下図のように初めに肥料をドンといれる手法よりも、生育状況を見ながら施肥をする追肥型の方がこのようなチッソ過剰になりにくく管理しやすいと考えられます。
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