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チッソ欠乏

栽培においてはチッソを過剰に与えてしまうケースは多いので欠乏というケースは考えにくいのですが、それでもよく出る症状の一つです。
与えているのに欠乏?足りていない?その仕組みを見ていきましょう。

 

なぜ欠乏するのか?

チッソはどちらかというと多く入れがちな肥料の一つです。なので欠乏するというのは考えにくいのですが
適正な管理をしている場合はこの欠乏が発生するケースが多いのです。

適正なのに?

適正な管理とはいいかえれば植物欲するだけ肥料を与えている状態=うっかりすると肥料が足りなくなる状態です。
もちろん適正な管理は重要です。肥料は多いよりは少ない方が植物に与える影響が少ないですからね。

肥料の使われ方と追肥のイメージ

一般的に肥料は「元肥」と「追肥」で管理します。(品目にもよりますが)
トマトの場合10段まで栽培すると、元肥は1/3程度を担っています。
残りを生育とともに与えていくわけですが、そのイメージは下図のようになります。

追肥を忘れると?

追肥を忘れると本来必要な養分を補給することが出来ず、下図のように生育にばらつきが出てきます。
養液栽培のようにすぐに吸える肥料があればここまでの影響は出にくいかもしれませんが、土耕栽培の場合は吸えるようになるまでにある程度の時間を要するため、その影響が出やすいとも言えます。

肥料が多すぎても実は吸えない?

肥料は多すぎることで根が正常に働かなくなり(根の働き参照)、水を吸えなくなることがあります。
肥料は水に溶けて初めて吸い上げることが出来るので、そのような時もヒョロヒョロとした樹姿になる時があります。
いわゆる水切り栽培に近い状態になるわけですね。
植物は自ら求めて好きな時に好きな肥料を取り込めるわけではありません。人がしっかり管理してあげることが重要ですね。

うっかり対策

まずは追肥

何はともあれ、まずは追肥を行いましょう。といっても一気に与えることでかえってストレスになることもあります。
ですので通常の追肥の1.5倍程度をイメージして与えましょう。もちろん苦土石灰も黄金比で与えてくださいね。
この時も株元から離したところ、できれば枝葉の先端の真下あたりに与えてください。
もちろん、水もしっかりと与えてくださいね。カラカラだと吸えるものも吸えなくなっちゃいます!

 

即効性を持たせたい場合は?

急いで肥料を効かせたい場合は液肥を利用するのも手ですね。
市販されているおよそ8-8-8(NPKが8%ずつ入っている肥料)を葉面散布、あるいは土壌に薄めてかけてください。
1㏄を1Lの水で薄めたものを毎日かけてあげると10日で0.8g程度のチッソ成分が入ります。
これは2週間の1回の追肥の時に10g(成分で0.8g)の化成肥料を与えたときと同等になりますが
液体である分、吸収効果は早いので結果がすぐに出ます。
しかし苦土石灰の吸収は変わらないので、あまり性急な液肥の追肥はやりすぎないようにお気を付けください!

こうなってからでは遅いですよ!

生長点が写真のようにあからさまに細くなってからでは回復が遅くなるのと、一度細くなると上への吸収効率が落ちますので
追肥はしっかりと行いましょう!

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