チッソ過剰について
チッソはみなさんもよくご存じの植物の栽培において非常に重要な成分の一つです。
しかし、この管理は実は非常に難しく、入れればよいというものでもないし、少なければよいというものでもありません。
適正こそがベストなのですが、その適正が難しいチッソ成分をみてみましょう。
チッソ過剰とは
チッソは植物の体を作る重要な要素です。プロの農家さんでも「生育が悪いからチッソを足した」というお話をよく聞きます。
チッソは細胞の原料であるタンパク質の主要成分で植物が吸収すると樹が太く、大きくなるのですが、それをアミノ酸~タンパク質に変えるには、ます光合成で作られた炭水化物が必要となります。
植物が光を浴びて、根から水を吸い上げて、葉の裏の気孔から二酸化炭素を吸収する「光合成」で作られた炭水化物は①チッソとくっついて植物の細胞を作ったり、②カルシウムなどと一緒に細胞を守る細胞壁を作ったり、③花や実にエネルギーを送り込んだりするのですが、チッソが過剰にあると細胞を作る方にどんどん消費されてしまい、細胞壁が弱くなって病気や虫の被害を受けやすくなってしまうんです。また、花や実へのエネルギーが不足します。
そうなると茎は太くなりますが体づくりに栄養を持っていかれる分、花付き、実付きが悪くなります。
また、葉は大きくなりますが薄くなり、葉の中央の葉脈にそって隆起し奇形となります。
大きくなりすぎた葉は下の葉に当たるはずの光をさえぎり、薄い葉はせっかくの光を有効活用できず、結果として光合成がしっかりできない=炭水化物がたくさん作れない、となります。
細胞壁が弱く薄くなるとチッソの匂いを出す「アミド」という物質が外に流れ出して虫や菌を呼んでしまい、植物の体を覆うワックスも作られず、葉や茎から病気も入りやすくなる…
などいろいろ問題が起きやすくなります。
入れすぎたチッソ、どうしましょう。。。
まずは適切な肥培管理。ここから始まります!
そして適切な追肥ですが、これがなかなか難しいです。よく樹を見て、写真のような症状が出ているときは先に苦土石灰などのミネラルだけ追肥して、チッソの追肥を1週間ほど遅らせるのも手ですね。
また、光合成や転流を促進させる効果が期待できる液肥を与えることで窒素をどんどん消化させるのもアリです。お酢は土中のカルシウム等を吸収しやすくするだけではなく、光合成によって得られる炭水化物を直接与えることができます。ただし、良いからと言って濃くしすぎると焼けてしまいますのでホドホドに。