葉かび病とは
葉カビ病は春先~梅雨と秋~初冬に発生し、一度感染すると対策が非常に難しい病気として知られています。
見た目では葉かび病かススかび病かわかりにくいですが、対処方法は同じです。
その名の通り、カビが原因で発生する病気で、主に葉に症状が出ます。
はじめは、葉の表面に輪郭が不鮮明な淡黄色の小斑点を生じ、裏面には灰黄色・みどり褐色のビロード上のかびが密生します。
下の葉から発生し、徐々に上の葉が感染していき、病斑が葉の大半を占めるようになると落葉してしまいます。
葉が枯れてしまうと光合成もできないため、実が小さくなったり、着果が悪くなったりもします。
解説(原因)
病気の原因となるカビは、植物の残さとともに土中に潜伏している他、ガラス・ビニール・骨組み・支柱などの農業資材にも付着して生き残ります。
密植したり、水のやりすぎによる過湿環境にてカビが元気になることで、トマトに感染し発病します(発病環境は気温20~25℃湿度95%以上)。
干ばつ・日焼け・肥料切れによって植物体自体の生育が弱まることで、病気への抵抗性が低くなり、感染しやすくなります。一度葉に感染すると、葉で胞子を形成して、他の葉や株に感染していきます。
また、この病気もチッソ過剰が原因になることもあります。
かびの栄養はチッソです。チッソ過剰になり、植物体からチッソが染み出てくるようになるとより広がってきます。
さらにアミノ酸も実は餌になりえます。アミノ酸は化学式で書くとCHO(炭水化物)にN(チッソ)が付いたものです。
アミノ酸由来のチッソ分も栄養になりますので、弊社プロモートRはカビが出ているときに散布すると餌になりますのでご注意を!
この写真のように葉が大きく巻いているときは要注意です!チッソ過剰で葉が繁茂しやすい状態なので湿気がこもりやすいです。
対策
カビが原因なので、湿度を高くしないことが重要です。
具体的には、株を密植しすぎない(株間40cm以上、植え方にもよります。)、風通しの良い環境で育てる、水をやりすぎない、芽かき葉かきを適度に行うようしてください。環境を整えることが予防への第一歩です。
それでも病気が出る方は肥料管理を見直し、干ばつや日焼けを起こさないように管理し、トマトを元気に育てて病気への抵抗性を高めることも重要です。
もし発病している葉を見つけたら、早めに葉を切り取って処分しましょう。大半の葉が感染してしまったときには、残念ですがその株を諦め、被害株を抜き取りましょう。被害株からは胞子が飛んでいるので、畑から遠くに運んで、焼却処分や土中深くに埋めてしまうなどして、胞子が健全な株に感染しないようにしましょう。
ミネラル分豊富な葉は厚みがあり、艶(ワックス成分)があるので侵入されにくく、病気になりにくいです。
病気は健全な体作りから!ですね。