葉や茎のべたつき
トマトの栽培中や収穫しているときに、手や服が汚れることがあると思います。
実はこれ、チッソ過剰でにじみ出てきたもので、その匂いで虫や病原菌を引き寄せたりもします。
生育状態の良いトマトはこういったにじみ出ることが少ないのでベタつきも少なく、虫を呼びにくかったりします。
ちなみに、虫は「おいしそうなトマトがある!」「おいしそうなトウモロコシがある!」と見つけて飛んでくるのではなく、「おいしいそうな匂いがする!」と集まってきます。虫にとって美味しそうな匂いとは「チッソ臭」なんですね。
面白い実験
田んぼの跡地にセイタカアワダチソウが自生しているのですが、田んぼの跡地ということもあって「アンモニア態窒素」というチッソ肥料が多く残っているようです。
当然のことながらセイタカアワダチソウもその肥料を吸ってのびのびしていますが、あふれ出るチッソ臭を隠すことが出来ず、毎年アブラムシの餌食になっていました。
そこで試験としてネットも何も張らずにセイタカアワダチソウに炭水化物を与えて植物体内に過剰にあるチッソをアミノ酸に変化させるお手伝いをしてあげたところ、なんと手前のセイタカアワダチソウはアブラムシにやられずにきれいなまま残りました。
(赤丸部分がアブラムシの被害にあったところ。白丸部分は炭水化物を加えたところです。)
チッソがアミノ酸に変わったので匂いを発しなくなったからと考えられます。
虫がつくのは美味しい証拠?
昔はこういいました。「虫がつくのは美味しい証拠。」と。
いえいえ、「虫が付くのはチッソが多い証拠」ということでしたね。
また、虫食いだけでなく、形が悪かったりする青果物も養分吸収不良が考えられますので
「形が悪くても味は問題ないよ。一般的に売れないから安く出すんだ」というのも?なところです。
ちなみに、上手に作れたトマトは作業時に手が汚れにくいんです。
この染み出る液体が少ないからですね。
皆さんも、肥料のやりすぎには十分注意してくださいね!