養分転流
養分転流とは
アスパラガスは寒い時期になると、地上部の茎や葉に残っている養分を地下の貯蔵根へ移動する「養分転流」を行います。
養分転流を行うことで、アスパラガスの根に蓄えられる糖分量はピークを迎え、翌年春の萌芽に向けて蓄えられます。
この養分転流はアスパラガスの栽培の中でも最も重要なもので、この養分転流をうまく迎えられるかがこの栽培の大きなポイントとなります。
根の糖分の蓄積量=アスパラの収穫量
アスパラガスの収穫量は根の重量x貯蔵糖度に比例します。
根が増えることで糖分の貯蔵量もあがり、さらに糖度が上がれば収量にも増えていきます。生育初期は植物の茎葉を作ることにチッソや光合成産物の糖分使われるため、糖分はの貯蓄はなかなか行えず、萌芽量もちょぼちょぼです。初期は茎数を増やす、太く=根の量を増やすことが大事です!
夏を超えたあたりから
やがて樹がたくましく生長し、光合成効率が上がってくると、茎葉を作ることと、根に糖分を蓄えることが活発に行われるようになりますが、夏場は生育がよく、消費も大きいことから糖分は一番低くなり、9月頃から糖度が上がり始めます。
養分転流
寒くなってくると、木々が落葉する如く、アスパラガスも真っ黄色になってやがて枯れていきます。この過程を「養分転流」と言い、茎葉に蓄えられた糖分を貯蔵根に移動する大事な作業です。さらに一月ほど休眠をした後の根に蓄えられた糖分の糖度は、前年の生育にもよりますが、25度以上になることも。イチゴもびっくりです!
春の萌芽
糖分をしっかりと蓄えたアスパラガスは地温が15℃を超えてくると目を覚まし、萌芽が始まります。
春芽の収穫です。
この時の萌芽量や味は前年いかに糖分を蓄えたかに影響されます。チッソ過剰の栽培では美味しいアスパラガスを採ることはできません!
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