葉に艶がある
植物は葉や茎の保護のため、ワックスやブルームと呼ばれる油分を出して外敵から身を守ります。
ブルームと言えば、昔のキュウリは表面が白くなっていましたが・・・アレですね。
外敵というと一般的には病害虫をイメージしますが、植物にとっては強い雨や、強日射による高温、泥はねなども外敵に相当します。
ではそのワックスはどのように作られるのでしょうか。
解説
他の項目でもお話していますが、植物の基本は光合成です。
光合成によって作られる炭水化物はC6H12O6=ブドウ糖をイメージするとわかりやすいですね。
これがチッソとくっついてアミノ酸となりますが、炭水化物とともに植物のエネルギーとなり、細胞を作ったり、細胞壁を作ったり、実の栄養になったり、植物の表面を守るワックスとして使われていきます。
しかしこのワックス、非常に多くの炭水化物を使いますので、チッソが多すぎて炭水化物を細胞づくりに使われ過ぎてしまうとワックスの材料が足りなくなります。
なのでチッソ過剰の葉の多くは艶がなく、薄っぺらいともいえるんですね。
補足
ワックスが豊富にあると葉の表面がキラキラと輝いて見えます。
このコーティングが(なんだか車みたいですね)
・水をはじく(葉の保護)
・カビなどが定着しにくい
・泥はねなどにも強くなる
・高温から身を守る(乾燥を抑制する)
・チッソの匂いが出にくくなるので虫が寄り付きにくい
など素晴らしい効果が満載です!
え、じゃあ葉面散布や農薬って効かないの?と思った方、鋭いですね!
葉面散布はこのワックスに切れ目や穴が存在し、そこから吸収できるんですね!すごいぞ植物!
農薬については粒子が細かいものはそのまま浸透するようですが、粒子が大きいものはワックスを溶かしていれるそうな。うーん、植物が身を守るシステムを溶かして薬を入れて対応…少しビミョー(-_-;)