葉の厚みと大きさについて
光合成の基本
光合成の基本は、二酸化炭素と光、そして水です。しかし、それらを受ける肝心の葉の状態が悪ければ意味がありません。
葉に求められるポイントは
・適度な厚み
・コンパクト
・ほんの軽く内側に巻いている
・そしてツヤツヤ!
というところです。
では、それぞれを説明してきましょう。
解説
まずは適度な厚み。
葉の断面の上部は柵状組織といって光がまっすぐ入り光合成を行います。
その光がそのまま抜けては勿体ないので、葉の下部にある海綿状組織で再度光を受けます。そのさいは、組織内を乱反射することで光のエネルギーを最大限に活かします。
ですので、葉がペラペラに薄い状態ですと光合成効率が落ちる、というわけです。
そしてコンパクト。
光合成の効率を考えたら、葉は大きい方がいいのでは?と思うかもしれませんが葉が大きいことで下の葉に光が当たらず、結果的に光合成効率が落ちてしまうわけです。葉の2/3が日陰になると光合成効率が激減するとか。
ほんの軽く内側に巻いている。
これは受光効率を最大限に高めるためですね。巻きすぎは水不足ですが、ほんの軽く巻いている場合は非常に良い状態です。
ツヤツヤ!
光合成がたっぷりされ、あまり余ると植物の組織が強化されますが、その際に葉にもワックス層というものがつくられ、ツヤツヤになります。こうなると虫は寄りにくく、病気にも強くなり、良いことづくめですね。
厚くコンパクトな葉のつくりかた
葉を厚く、コンパクトにするにはどうするのでしょう。
まずは肥料分のコントロールですね。
特にチッソは気を付けて!窒素を入れすぎるとこんなに大きな葉っぱになってしまいます!
こうなると葉は厚いどころか、薄くなってしまい、さらには下部の光合成を妨げてしまいます。さらには空気の流れも悪くして光合成の低下やカビなどの病気を誘発します!
ちなみに、葉脈が隆起しているのがわかると思いますが、これもチッソ過剰のタマモノです・・・
そしてカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分をしっかり補うことです。
特にカルシウムはpH調整にしか使わないと思っている方も多いですが、カルシウムをしっかり補うことで細胞を堅固にし、しっかりと厚みのある葉が作れますよ!
ちなみに厚みのない薄い葉はこんな感じです。
葉にも表情がなく、のっぺらとしていますね。
関連情報
カテゴリー
もっと学びたい方へ
PRO栽培セミナー
生産性の向上や目標の達成を支援しながら、農業者のコミュニティづくりに取り組みたいと考えています。
単なる講義ではなく、互いに学び合い、より良い、より持続可能な農業のあり方を構築するための機会なのです。